2019年の発表によると日本人の平均寿命は
男性は81.41歳、
女性は87.45歳でした。
ただし、健康寿命はもっと短いです。
健康寿命と平均寿命の差は
男性で9.27年、
女性で12.66年となります。
この間は介護など人の介助が必要になる可能性が高いと言われています。
アメリカイリノイ大学のS・ジェイ・オルシャンスキー博士(疫学・生物統計学)らはこの期間をレッドゾーンと呼んでいます。
この期間は、加齢に伴う疾患が次々と発生し、あっという間に要介護になり最終的には死に至ることが少なくありません。
オルシャンスキー博士の論文では、従来の平均寿命の延長を目指すアプローチは限界を迎えていると分析しています。
レッドゾーンでは、次々と短い期間で発生する病に個々に対処しても、平均寿命は長くならないからです。
それよりも、加齢によって生み出される病気へ対応する関わり方を変え、いかにレッドゾーンを短くするかが大切であるといいます。
そのために重要なのはレッドゾーンより前の段階(ミドルエイジ世代)の生活習慣を変えることが重要になります。
統計では、最も多いのが
1位:喫煙に起因する循環器疾患・悪性新生物・呼吸器系疾患で12万人以上
2位:高血圧に起因する循環器疾患で10万人以上
の方が亡くなられています。
しかし3番目に多いのが
3位:運動不足に起因する循環器疾患・悪性新生物で5万人以上亡くなられています。
平成25年(2013)の厚生労働副大臣の会見では、日本では運動不足による死亡者数は、喫煙、高血圧に次ぐ第3位でその数は年間約5万人であるということが発表されています。
(2007年の我が国における危険因子に関連する非感染症疾病と外因による死亡数)
(出典)THE LANCET 日本特集号(2011年9月)日本:国民皆保険から50年「なぜ日本人は健康なのか(36p 図3)」)
(平成26年度 厚生労働省白書 15p 図表2-2-1リスク要因別の関連死亡者数)
筋肉は早ければ20代後半から衰え始めます。
筋肉量が大きく減ることになるミドル世代では、できるだけ筋肉量を維持するためにも日常的な運動が必要です。
問題となるのは日常の活動を支える体幹の筋肉です。
これらの筋肉は50代を境に急激に衰え始めます。
歳をとると一度落ちた筋肉はなかなか元に戻りません。
しかも、男性の場合は筋肉を作り上げる男性ホルモンも同時に落ちていくため、より筋肉はつきにくくなります。
では、どのぐらいの時間運動をすればいいかというと。
40代〜50代では3メッツ(普通の歩行)以上の身体活動を毎日60分程度心がけましょう。
運動に際しては10分程度の身体活動を積み重ねることでも効果があることがわかっています。
わかっていても運動をする時間がない方もおられます。
実はそんなに時間も必要ありません。
運動を単体で行おうとすると運動の時間を捻出しなければなりません。
しかし、わざわざ時間を取らなくても、自宅の掃除やスーパーへの買い物、通勤時の移動など生活に密着したさまざまな活動が既に運動になっています。
例)駅までの歩行30分(行き15分帰り15分)+自宅掃除20分(掃除機3.3メッツ)+ストレッチ10分(2.3メッツ)
*電車で立っているだけでも運動になります。(立位1.8メッツ)
これだけで既に60分運動していることになっています。
また、継続的に運動を行うことで高血圧が予防できることもわかっています。
禁煙と高血圧の予防、そして運動不足を解消して平均寿命ではなくあなたの健康寿命を伸ばしていきましょう。
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