といった医学者がいます。近代西洋医学の基礎を築いた医学者(ウィリアム・オスラー(1849〜1919))です。
加齢によって発症する動脈硬化症は老化現象の代表的な病です。
この疾患は、いきなり発症するわけではなく10年から20年以上の長期にわたって静かに体の中で進行します。
動脈硬化性新血管疾患(ASCVD)の代表である虚血性心疾患や脳血管障害の発症の予防につなげることができるかが健康寿命を伸ばすための鍵になると考えられます。
動脈硬化を防ぐためには動脈硬化に予防策をとる必要があります。
これまでの疫学的な証拠から、加齢によって発症するとされているほか、脂質異常症や喫煙、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群やメタボリックシンドロームが動脈硬化の危険因子とされています。
この中で年齢を重ねることは止められませんが、そのほかの脂質異常症や高血圧、糖尿病や喫煙は生活習慣の変更や治療、自己管理で改善させることが可能です。
動脈硬化に対策を取らず体のさまざまな臓器の機能が低下すると、血管の衰えによる影響が同時多発的に出現する場合があり、フレイル(運動能力だけでなく心身も虚弱になる)になる可能性が非常に高くなります。
加齢によって、体のさまざまな臓器の機能が低下する前に減らせるリスクは減らしておきましょう。
そして、動脈硬化を防ぐためには、まず自分の血管の状態を知っておく必要があります。
病院で受けられる検査として
①「動脈脈波伝播速度(PWV)」心臓の拍動によって生まれる動脈の振動(脈波)が足まで行き渡る速度測定するもの。動脈硬化の程度や早期の血管障害を見抜くことができます。
②「心臓足首血管指数(CAVI)」大動脈から足首までの動脈の弾性を測定する指標。8以上9未満は気をつけたほうが良い状態。9以上は動脈硬化が疑われます。
これらの検査は保険診療で受診できますので40代以上のミドル世代は必要に応じて一度受けられてはいかがでしょうか。
病院に行く時間がないという方は簡便なスクリーニングがあります。
それは血圧を2回測定するという方法です。
ただし、2度目測る前に「一度立ち上がる」という動作を挟みます。
手順
①安静座位で血圧を測定する
②血圧計を外し立ち上がる
③再度血圧を測定する
以上です。
この時の血圧の差が収縮期血圧で15mmHg以上であれば動脈硬化の疑いがあります。
病院で検査を行ったほうが良いかもしれません。
15mmHg以下であれば動脈硬化の可能性は低いと考えられます。
まずは自身の血管の状態を知ることが動脈硬化予防の第一歩となります。
気になる方は是非一度試してみてください。
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