関節リウマチとは、体に入ってきたウイルスや細菌を攻撃する免疫機能が暴走し自分の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患である。
関節に炎症が起こり、痛みや腫れが生じてやがて変形することもある。
(人によりますが、炎症がひどいと異常に体力を奪われるのでいつもひどく疲れています。そして、常時痛みがあるので、精神的にもストレスが溜まり、少しのことで怒りやすくなります。まるで性格が変わったかのように見えます。)
左右対称の関節の腫れや、関節の朝の強張りなどが特徴的な症状です。
国内患者数は60万~100万人と推定され、30~50代の女性が発症することが多い。
治療薬の基本は、免疫の暴走を抑えるメトトレキサート(MTX)という内服薬です。
効果が不十分な場合は、関節の炎症に関わる物質にピンポイントで結合して、その働きを抑え込む抗体医薬(バイオ製剤)を追加するのが一般的です。
ただし、バイオ製剤は通院して、または在宅で注射を続ける必要があるなど手間や痛みが伴うため、ややハードルが高いことも難点です。
そして、一度破壊された関節は元に戻らないため、関節の保護に重点を置いた生活を組み立てる必要があります。
中でも生活動作の中では、特に手首の関節が重要とされます。
例えば食事場面でお茶碗を持つ、お風呂で蛇口をひねる、ドライヤーを使う、布団を持つ、起きる時に体を起こすなどあらゆる場面で手首を使っています。
関節リウマチを発症したら、すぐに対策を講じる必要があります。
特に女性の場合は骨粗鬆症を合併症として発症している人も多いです。
関節の炎症を起こす物質(サイトカイン)が、新しい骨の形成を抑制し、古くなった骨の破壊(骨吸収)を促進することで骨粗鬆症が起こりますが、そこには閉経後であることや、ステロイドの服用、単純に関節リウマチのコントロール不良などの場合は骨粗しょう症を合併しやすくなります。
両者が合併すると、背骨の圧迫骨折や股関節(大腿骨頸部=だいたいこつけいぶ)の骨折が多くなる可能性が高くなります。
関節リウマチの治療薬としてはバイオ製剤が登場し、炎症を悪化させるインターロイキン(IL)―6や腫瘍壊死(えし)因子(TNF)などのサイトカインを抑えられるようになりました。
これにより、寛解(症状が治まった状態)に至ることが十分可能となっています。
しかし、お薬も常用すると徐々に効果が低くなる場合があります。そこで、昨今では近年はJAK阻害薬という新たな内服薬が複数加わり、普及し始めています。
2013年から、免疫を抑制する方向に調節するJAK阻害薬という新たな内服薬が登場し、バイオ製剤と遜色ない高い効果を示している。
すでに5種類が承認されているが(20年9月末時点)、薬効に大きな違いはないと考えられるという。
JAK阻害薬登場の意義の一つは、MTXとバイオ製剤を使っていても効果がなくなった人の有効な治療法になること。
もう一つは、MTXの次の治療としてバイオ製剤かJAK阻害薬を選べるようになったということです。
薬剤費はまだ高額で1カ月約15万~16万円(3割負担なら約4万5000~4万8000円)に上りますが、公的医療保険の高額療養費制度などを利用すれば、自己負担が軽減される場合もあります。
総合的な治療はかかりつけのDrに、関節の保護や運動、生活場面での工夫に関しては当院にご相談ください。
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