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執筆者の写真川村 栄作

このところ「手が痺れるんです」という症状を訴える患者さんが増えた気がする。



厚生労働省が行った「国民生活基礎調査」で女性の第1位、男性の第2位に挙げられた、不調の自覚症状「肩こり」。


コロナ禍でおうち時間や、在宅ワークを強いられる状態が長いことで、運動量が低下する。そして、もともとあった肩こりが増悪して神経に悪影響が出る。という流れだと考えています。


「疲れが溜まっている」「歳だから」「もともと肩こりあったし仕方がない」という理由で対応が後手後手になっている人は注意が必要です。


その手の痺れは放っておくと手術しなければならなくなる可能性があります。


最近は、先人たちの熱意ある研究の賜物で、手術の侵襲も少なくなり、患者負担も大幅に減少しています。


とはいえ、手術せずに済むならそのほうが良いはずです。


そんな手の痺れや肩こりの中で、すぐに対応した方が良い場合とそうで無い場合をお伝えしようと思います。


「すぐに対応した方が良い」に当てはまる方は、なるべく早く受診をお勧めします。


まず、手の神経は「頚椎」と呼ばれる首の骨の隙間から出ています。その後、首の根元あたりで一旦集合し(腕神経叢:ワンシンケイソウと言います)改めて枝分かれして末梢に伸びてゆきます。


末梢に伸びていく際、所どことで筋肉と並走したり、筋肉の隙間を通ったりして、目的地にたどり着きます。


最近多く聞かれる「痺れ感」というのは神経の通り道のどこかでトラブルが起きた場合に発生します。(そうで無い場合もありますが、成書をご参照ください。)


さてどんなトラブルが考えられるか?


首の骨が変形した時

 神経は骨の隙間から出てきますが、骨の形が変わり神経の出口が狭くなったり、歪になったりすることで、神経が物理的に挟まれる、そしてそれが長期にわたることで、傷ついてしまい痺れ感が発生する。

 一時的なもので、範囲が小さければ回復の可能性も高いと考えられますが、長期にわたると手術しても痺れ感が残る場合があります。


筋肉のこりが強い場合

 これが一番多いですが、いわゆる「肩こり」です。

 同じ姿勢を長く取り続けることで、同じ筋肉が長時間収縮し続けるため、血管が圧迫され循環の低下、神経が圧迫されて痺れ感が出現する

 改善方法としては、該当する筋肉の緊張をとる、運動学習を行い周辺筋を働きやすくすることで、一つの筋肉にかかる負担を相対的に軽減させる方法が有効です。


③その他 

 腕や手に伸びている末梢神経のどこかに問題が生じている場合にも、しびれ・痛みが現れることがあります。

 また、脳の病気など、症状のある部位とは直接関連しない病気や、腫瘍や炎症が原因で不快な症状が続いたりすることもあります。


首を回したり、腕を動かした際に痛みを感じると我々はつい「肩こり」と軽く考えがちですが、その原因は大きく3つに分けられ、種類によって対応の仕方が全く変わってきます。


また、どれかひとつではなく上記3つが複合して発生している場合もあるため、どの原因が一番影響しているかという鑑別も必要になってきます。


鑑別が必要な理由は、原因に正しくアプローチしなければ問題解決に時間がかかり、結局不利益となる可能性が高いからです。


上記3つの中で最も多い原因が、いわゆる「肩こり」です。これは日常生活の過ごし方で簡単に予防・改善が可能です。詳しくは動画をどうぞhttps://youtu.be/HR6Kg2SINlE

(「ムラさん先生の整体チャンネル」*「イイね」と「チャンネル登録」をお願いします)

 注意が必要なのは、首の骨のトラブルによる神経の障害や末梢神経のどこかに問題が生じている場合です。


 鑑別の方法は、首を曲げた時に痛みや痺れが走る、あるいは増悪するようであれば注意が必要です。

 さらに頭を真上から真下に両手で抑えることで同様に痛み・痺れが走る、または増悪するようであれば、速やかに受診するようお勧めします。


 どうしても首・肩こりというのはありふれた症状というイメージがつきものです。

つらい症状をかかえていても、「疲れているからだ」「歳のせいだからしかたない」と、受診をためらう人が少なくありません。

 また、「歩きづらい」「トイレが近い」などの症状は、首の痛みとは関係なさそうにみえるだけでなく、高齢者になるほど「歳のせい」と見過ごされがちです

 

 しかし、じつはこれが受診を要する重要なサインなのです。


 普段、なんとなく見過ごしていることが、医療機関にかかるかかからないかの大切な判断基準になるということがお分かりいただけるでしょうか。


 また、首の骨の異常がすぐ手術となるわけではありません。


 実際に「頸椎症」と診断されても多くの場合は保存療法をとっていきます。

 それ以上に症状が進行し脊髄(中枢神経)を圧迫してしまう場合は、主治医と患者さんや家族がよく話し合った上で、手術を提案される可能性が高いです。


 しかし、診断をされていても日常生活の中で悪化を防いだり、症状を改善できるチャンスとその可能性があることも事実です


 「首を動かすと痛みが走る」「ひどい肩こりで腕までしびれる」、そんな悩みはあるけれど、医療機関を受診するところまでは……。

そんな対応をしている人は少なくないと思います。


そんな人はもちろん、家族や友人など身近な人々に首・肩・腕の痛みやしびれに悩んでいる人がいる人は、その痛みや痺れとこれからどう向き合っていくのがベターなのかを考えてみてはいかがでしょう。


あなたの大事な人生を痛みや悩みに奪われないでください。


Good health is a great asset


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