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執筆者の写真川村 栄作

40代から始めたい、アルツハイマー病の発症リスクを抑える「脳のおそうじスープ」そのレシピを公開。



認知症の有病率は年齢とともに急峻に高まることが知られています。


現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています。


その結果、2018年時点でのわが国の若年性認知症有病率は人口10万人あたり50.9人(95%信頼区間:43.9-57.9)、有病者数は3.57万人、原因疾患別を以下に示します。


アルツハイマー型認知症(52.6%)

血管性認知症(17.1%)

前頭側頭型認知(9.4%)

頭部外傷による認知症(4.2%)

レビー小体型認知症/パーキンソン病による認知症(4.1%)

アルコール関連障害による認知症(2.8%)


アルツハイマーが最も多く全体の半数以上となっています。



ですが医学の進歩で、この病気について様々なことが解明されつつあります。

なかでも、アルツハイマーの原因として注目を集めているのが「アミロイドβ(ベータ)」という物質です。



これは、毒性の高いタンパク質で、中年期から15~20年ほどかけて脳神経細胞の周囲に蓄積していきます。

その影響で脳の神経細胞が破壊され、機能が低下しアルツハイマー病にかかるのです。

さらには、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなるという。


先日、アルツハイマーの救世主(となるか?)新薬アデュカヌマブが発表されました。

このお薬はアミロイドβ(Aβ)を標的とする完全ヒト化モノクローナルIgG1抗体であり、脳内のAβを減少させることにより神経変性症状の進行を抑制すると考えられています。



アミロイドβの研究が各国で進められていますが、発生を阻止し、蓄積を防止する“決定打”はまだ見つかっていません。

(完全ヒト化モノクローナルIgG1抗体の働きについては中外製薬さんが比較的わかりやすくweb上で解説してくださっています。(https://www.chugai-


また気になる費用面ですが、エーザイの米国向けリリースによれば、4週間に1度の投与で1回あたり4312ドル(約47万円)、年間で5万6000ドル(約613万円)がかかるそうです。


米Biogen社が公表したこの数字は、卸業者購入価格(WAC、いわゆる定価)なので、実際にはもっと安くなる可能性があります。

米国では多くの薬がWACから4割ほど値引きされます。

しかし抗体などのバイオ医薬品は総じて値引きが渋いことを考えると、日本円にして約400万円くらい(年間)になると予想されています。


なかなか二の足を踏むような金額です。(しかし人生の大切な時間と引き換えにと考えると・・・です。)

と、その前に我々が実生活でできる対策にはもっとお手軽なものがあるのです。

そもそもアミロイドβを溜めない、排出を促すような生活習慣を身につければ良いのです。


アルツハイマー病の発症リスクを抑えることができる、その生活習慣の大きな要因が「食事」です。



食事に含まれる栄養素はアミロイドβの発生を直接コントロールできると言われています。

そうした栄養素をまんべんなく含んだ「脳のおそうじスープ」が以下の材料で簡単に作れます。

(内野勝行先生著書『1日1杯脳のおそうじスープ』にて、その作り方を紹介)


このスープは、身近な食材を使い、包丁を使わず簡単に作れるところがポイントです。

冷凍保存で作り置きできるので、毎日摂る習慣化もしやすい。

作り方は以下のとおり。


「脳のおそうじスープ」の“素”の作り方

【材料(約8杯分)】

・トマト:大1個(200g)

・蒸し大豆、くるみ:各50g

・桜えび:10g

・すりごま:大さじ3(18g)

・ツナ缶(ノンオイル):2缶(140g)

・塩:小さじ1(6g)

・中濃ソース:大さじ1(6g)

・こめ油:少々


【作り方】

1 トマトをおろし金ですりおろす。

2 蒸し大豆とくるみを保存袋(大)に入れてくるみを砕きながら揉む。

3 2に1とその他の材料を入れる。

4 揉み混ぜてから平らにして冷凍保存する。


(スープを飲むときは、冷凍庫からスープの素を60gほど割って取り出し、熱湯150mlを注ぎ、こめ油を少し垂らす。摂る頻度は1日最低1杯、時間帯はいつでもかまわない。)


なぜ「脳のおそうじスープ」は効くのか

このスープには脳の状態を整えるうえで有効な栄養素や機能成分が余すところなく含まれています。


例えば、ツナ缶のマグロの脂に含まれるDHAやEPA。これらは、血液サラサラ効果が高い点で特筆すべき栄養素です。

実は、アミロイドβ=「脳のゴミ」対策の大前提として必要なのが、血の巡りを良くしておくことです。



血管内に中性脂肪や悪玉コレステロールが多いと、いわゆる「ドロドロ血液」になるため、脳のゴミが血流に乗って体外へと排出されにくくなるのです。

また、認知症の約2~3割は、脳梗塞脳出血・くも膜下出血など、脳の血管の病気によって引き起こされる脳血管型です。


それらを予防する意味でも、血液をサラサラの状態に保っておくことは非常に重要です。そのため、ツナ缶はスープの主要素材の一つとされている。


そして、トマトや桜えびには、抗酸化物質であるリコピンやアスタキサンチンが含まれている。

さらに、もう一つアミロイドβ並みに怖い、ある種の脳のゴミとして活性酸素を挙げる。

最近よく耳にする活性酸素は、普通の生活をしていても体内で発生する。



これが過剰に発生すると、「さまざまな病気にかかるリスクが高まる」だけでなく、「アミロイドβの蓄積も促進」されるという。

さらに、アミロイドβが活性酸素を作り出し、アルツハイマー病を発症するという研究報告もあるそうで、それを防ぐ抗酸化物質は、脳のおそうじの力強い味方になる。


ぜひ日常的に脳のお掃除を意識した食事にチャレンジしてみてください。



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