40歳を超えた頃から、徐々にひざの痛みを訴える人が増えてきます。
男性と女性を比べると1:4で女性の方が多くみられ、高齢になるほど罹患率が高くなります。
「年のせい」と放置する人が多いようですが、実際は「ひざの疾患」が原因かもしれません。
最も多いのは「変形性膝関節症」といって、膝関節がしだいに変形し、痛みや炎症を起こす病気です。進行すれば歩行困難になる恐れも…。
今回は、なるべく早く対処するために知っておきたい、「受診」のポイントを見ていきましょう。
◯「1~2週間続く痛み」や「症状の再発」は限界のサイン
初めはちょっとした違和感や、膝を曲げ伸ばしした時に「ポキポキ」と音がした時に気になる程度です。
「どこかにぶつけたかな?」「ちょっと捻ったのかも」ぐらいにしか思わず、なんなら市販の湿布や痛み止めを服用し様子を見る人がほとんどです。
そのうちに、頻繁に痛みが気になるようになります。
日中の動作だけでなく、夜寝ていても痛みで眠れない、痛みで目が覚めることが増えてきます。
それまで服用していた市販薬では収まらなくなり、「これはおかしい」と思って受診される患者さんを多く見かけます。
国民性なのか特に高齢な方は「我慢する」傾向が強いように感じます。
そして高齢な方の変形性膝関節症では末期に近い状態となっていることも珍しくありません。
そうなる前に、膝の痛みが1〜2週程度続いた場合や膝周囲が腫れている場合、また膝周囲に熱感が感じられる場合は速やかに整形外科の受診することをお勧めします。
また、階段の上り下りがつらい、正座ができなくなったなど、日常生活で今まで感じたことのない症状が現れた場合も、受診のタイミングといえます。
◯ひざ疾患を正確に診断できるのは医療機関だけ
なかには医療機関ではなく、鍼灸院や整骨院といった治療院に行かれる人がいます。
(私はあまりオススメしません。)
変形性膝関節症の場合は、確かに治療院でも外見的にある程度の判断がつきますが、同じ症状でも別の病気の可能性は否定できません。
それを判断するにはレントゲンなどの検査が必要となり、確定診断を下せるのは医師だけなのです。
初期の対応を間違えると、症状を進行させてしまう危険があるため、きちんと診断を受けるうえでも、まず初めに医療機関を受診することをお勧めします。
医療機関を受診すると以下のような流れになります。
【診察】(問診・視診・触診)
【検査(レントゲン・MRI・血液・関節液)】
【診察】(検査結果と合わせて診断する)
【処方箋】
大きくはこの流れで、保存なら服薬(痛み止め・湿布)・ヒアルロン酸注射・リハビリ(という名の物理療法:電気・温熱など)、生活に影響が大きい・末期なら総合的に判断し手術を勧めるといった流れになります。
保存で処方箋のみという際に
「なんだこれなら自分は家に居て、家族に湿布と痛み止めもらいに行ってもらえば良かった」
という声も非常によく聞きます。
ただ、検査はやはり必要で重大な疾患が隠れていないかどうかというのは、然るべき医療機関でなければわからないというのが現状です。
(語弊があるかもしれませんが「ただの変形性膝関節症で良かった」というのは医療者側の正直な気持ちでもあります)
診断は医師しかできませんが、その後のリハビリはやはり理学療法士が一つ抜き出ています。
変形性膝関節症は日常の全ての動きを低下させる疾患ですので、医療機関の治療だけでなく、生活動作の中で膝に負担をかけない動作を工夫する、生活環境を整える(和式→洋式)など本人や家族ともに協力して、しっかり対応することが今後の生活の質を左右することになります。
もし、リハビリ科があり理学療法士・作業療法士が在籍しているなら是非相談してみてください。
彼らはエキスパートです。
必ず力になってくれることでしょう。
そして、「手術」の判断をする前に自身で痛みを改善させる方法がまだまだ残っています。
ただ痛みを堪えて人生を楽しめないなんてひど過ぎます。
これからも自分の人生を楽しく過ごすために、後悔しないためにできることはやっておきましょう。
まず、なぜ膝が変形するようになったのでしょう?
「変形性膝関節症」と言われたから、薬を飲んで電気当てて湿布貼って注射打って・・・では膝は良くなりませんし、なんなら悪くなる一方です。
膝が変形するのにはそれなりの理由があります。
関節は正しい通り道を通っていれば痛みが出ることも軟骨も偏った減り方をすることも少ないです。
では何故、正しい通り道を通れずに強い痛みが出たり、軟骨が偏った減り方をするのか?
それは、膝周りの筋肉がアンバランスだからです。
筋肉は縦・横・斜めとさまざまな方向に走行しています。
それぞれの筋肉が適切に働くことで、骨(関節)を適正な位置に保ちます。
適切な位置で関節運動が行われれば、痛みなく動作を行うことが可能です。
例えば膝関節の運動軸は1軸(曲げるか伸ばすか)です。
しかし、内側と外側の筋肉の働き方に差があると、途端に膝関節に捻れる力が加わります。
これが変形の始まりです。
そして、脳から運動の指令が出た時に硬い筋肉ほど他の筋肉に先んじて働く特性があります。
(一般的にインナーが弱くアウターが働きやすいのもこの理由です)
硬い筋肉はより硬く、弱い筋肉は運動に参加しきれずさらに弱くなるのです。
この状態が何年も続くと、その結果としてO脚やX脚その他の変形が発生します。
こうなってくると通常の運動(ウォーキングやトレーニングジム)や物理療法と呼ばれる電気・温熱、Drが処方する薬のどれを使ってもこのアンバランスは改善できません。
ここまで医療が進歩していても、いまだにアンバランスを改善せずに治療が展開されているのは悲しいことです。
筋肉のアンバランスを改善しない限り絶対に良くなりません。
例え手術をしたとしても、痛む関節が人工物に変わったことで痛みが消えただけで、痛むようになった原因そのものは消えていないのです。
これらには理学療法士や一部の医療従事者が原因を特定し、アンバランスを修正することが可能です。
ここまで読まれた方は、どこに受診すれば良いかわかると思います。
まずは整形外科受診を。
そのあとは、専門家(理学療法士など)に頼るのが良いでしょう。
優秀な先生がいらっしゃればそちらを頼っても構いません。
受診の際は自分の体引いては自分の未来、そして大事な人との時間を預けることになりますので、気になることはしっかり聞いて納得してから治療を受けるようにしてくださいね。
当院では臨床で10年以上経験を積んだ理学療法士が、あなたの痛み・悩みを原因から追求し改善までサポートいたします。
長文お読みいただきありがとうございました。
整体院アセット
理学療法士 川村 栄作
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